◆ 猫の食物アレルギー

ハニーとキィくん兄弟

特定のものを食べると、じんましんが出たり、吐いたりすることがあります。このように普通には害のない食べ物に対して異常な反応を示すことを、食物(性)アレルギーと言います。猫がアレルギーになることは少ないと言われていますが、リンクは食物アレルギーの可能性がありました。また、最近のアビシニアンにアレルギーが多いそうです。
詳しい検査(アレルゲン検査)をしたわけではないので、食物アレルギーの可能性があるということですが、白米、玄米、小麦、卵など、主に穀物を使った食物で下痢になりました。(*猫はもともと穀物の消化が苦手です。)
アレルギーとは、ある成分に対して体の中の免疫システムが過敏に反応し、体内に侵入してきたその成分を体が記憶して、同じものが再び侵入してきたときに撃退しようとし、体が防御反応をおこすことをいいます。
その結果、下痢や皮膚炎などの症状をおこしてしまいます。

猫または犬の食物アレルギーは、一般的に皮膚炎をおこす場合が多いと言います。食事をとってっから数時間後に皮膚が赤くなる、脱毛する、ブツブツができるなどの皮膚炎の症状、痒みを伴い執拗に耳や首を掻いたり、足裏を舐めるなどの症状が出ます。アレルギーが長引くと皮膚が厚くなることもあります。そして、リンクのように特定の食物を食べた場合に下痢になる猫も多いと言われています。

食事性のアレルギーは稀に生後3ヶ月くらいで発症しますが、普通は生後半年以上で発症すると言われています。とくに避妊去勢手術後のホルモンバランスの変化や、1歳、3歳前後に多いです。
皮膚炎の症状が出るアレルギーの場合は、季節と関係なく現れ、炎症をおこしている犬猫に副腎皮質ホルモン薬などの抗炎症薬を与えても、根本的な改善は期待ができません。また、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を与えても、一般に治療効果は見られません。
しかし、これらの薬を投与しながら、良質なタンパク質や脂肪酸を与えると症状が良くなることもあります。治療としては特定の食物や他の食事をを与えず、低アレルギー食を与えて様子を見ます。食事性アレルギーの場合は1週間ほどで症状が軽くなります。

食物アレルギーは、その食べ物に含まれるタンパク質が主な原因となります。フードには、タンパク質の供給源として様々な原材料が使用されています。食物アレルギーをおこす原材料として、牛肉、乳製品、魚の3種類が、80%以上を占めます。その他に羊・豚肉・小麦粉・とうもろこし・大豆・白米など。(牛肉・鶏肉・卵・小麦・大豆はアレルゲンのTOP5です。)

アレルギー原因をつきとめるのは難しいと言われおり、検査としてアレルゲン抗体検査がありますが、検査の結果、抗体の値が高くても全く無症状だったり、逆に抗体が検出されなくても症状がある場合があります。(*そのためリンクにはやりませんでした。)
何が原因の食材であるかということは除去食試験(ある特定のタンパク質を除いた食事を与えて症状の変化を観察する試験)で、チェックしてみないと断定することはできません。

牛や魚に反応する猫が多いということは、フードの原材料に多く使われていることが関係していると考えられています。牛や魚の代わりに鶏肉やラム肉、馬肉、カンガルー肉など、今まで食べたことのない原材料に含まれるタンパク質にすることで、症状が軽減されることもあります。
ただし食物アレルギーは、食物中のタンパク質であれば、何でも原因物質(抗原) になります。他のタンパク質に替えても、食べ続けるうちに反応を起こすことも考えられます。

(タンパク質)
すべてのタンパク質が食物アレルギーの原因と考えられています。
どのタンパク質にアレルギーをおこすかは個体によって異なります。

(脂質 *脂肪)
脂質(脂肪)は、ほとんど食物アレルギーの原因にはなりません。
しかし、脂質を精製するときにタンパク質が除去しきれなかった場合、そのタンパク白質がアレルギーの原因になることがあります。

(炭水化物)
炭水化物はほとんど食物アレルギーの原因にはなりません。
しかし、米や芋など炭水化物源として知られているものでも5〜10%はタンパク質のため、それらが食物アレルギーの原因になることがあります。

また最近は、アレルギー性疾患を増加させている原因として、フードに含まれている、合成着色剤・合成酸化防止剤・人工香料などの合成添加物があります。この添加物を食べ続けたことで、肝機能・腎機能・甲状腺機能などが低下し、免疫力(抵抗力)を弱めていると考えられています。

食物アレルギーになる原因として考えられるのは、アレルギーをひきおこす成分の入った食事を繰り返し与えた場合になる可能性が高く、アレルギーのうち70%は、同じ食物を2年以上続けて食べたためにおこったという報告もあります。アレルギーは動物の体のもつ免疫システム(体内に入った毒物や病原体を排除するしくみ)が異常なはたらきをするためにおこり、この免疫システムが食物の中の特定成分に対して反応し、抗体物質をつくります。つまり、猫がその特定の成分の入った食物を食べ続けることで、体内に抗体物質をつくってしまうのです。この抗体物質が腸の粘膜などにある免疫細胞を刺激するために、皮膚の炎症や下痢をひきおこします。



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 ◆ 本当にアレルギー?

クリオちゃん

犬や猫の食物アレルギーの診断は血液検査でのアレルギー検査や腸管のバイオプシー(組織)検査などをしないと難しい、あるいは確定できません。費用は1.5〜2万円くらいします。
血液検査を行った場合は、アレルギーをおこす成分が特定できますので、その成分が含まれていないフードを与えればよいということになります。
ただし上記にも書きましたが、抗体の値が高くても全く無症状だったり、逆に抗体が検出されなくても症状がある場合があります。

食物アレルギーの他に可能性が高いのは、免疫系のトラブルです。
食物だけに限られず、ワクチン摂取などで副作用が出た場合は、免疫システム(体内に入った毒物や病原体を排除するしくみ)にトラブルがあり、外的要素に過敏な反応を示します。

どのようなケースであっても、処方された薬(抗生物質・ステロイド剤など)で一時的に改善します。 食物アレルギーと診断された場合は、低アレルギー性のフードやサプリメントで症状が改善されます。
ただし、ステロイド剤は長期間投与すると、副作用から副腎皮質機能不全になります。食物アレルギーと診断したのに、食事の内容を改善しない、食事を改善しても症状が緩和されない、通院のたびにステロイド剤を投与する病院はNGです。食物アレルギーの場合、処方される薬は症状をおさえる一時的な対症療法であって、根本療法ではありません。
動物病院で検査、治療、今後の対策など、何もされてないのであれば、セカンドオピニオンとして他の動物病院へ行くことをおすすめします。
何か他の原因も考えられるかもしれません。


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 ◆ 食事療法

クリオちゃん

犬・猫にとってアレルギーをおこしにくい主な食材は、七面鳥・ラム肉・馬肉・白身魚・玄米・ポテト・人参・トマト・ブロッコリー・セロリ・パセリ・亜麻仁(キャノラオイル)などがあげられます。
ただしラム肉は、牛肉にたいしてアレルギー反応がある場合は、ラム肉に対しても反応する場合が多いそうです。
また、アレルギー用療法食として、フード各社から販売されています。

ヒルズ・z/d (ヒルズ)
プリスクリプション・ダイエット z/d
(胃腸病・食物有害反応性疾患)
原材料:米、加水分解チキン、植物性油脂、セルロース、ミネラル類、ビタミン類、タウリン

ウォルサム・セレクトプロテイン (ウォルサム)
セレクトプロテイン ダック&ライス
原材料:米、ダック、米グルテン、動物性油脂、セルロース、加水分解動物性タンパク、岩塩、大豆油、L-チロシン、タウリン、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、各種ビタミン・ミネラル

ユーカヌバ・腸管アシスト (ユーカヌバ)
腸管アシスト
原材料:家禽類(チキン、ターキー他)、トウモロコシ粉、粗挽きトウモロコシ、鶏内臓、魚粉、乾燥ビートパルプ、 鶏脂、乾燥卵、鶏エキス、発酵用乾燥酵母、フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、食塩、 各種ビタミン・ミネラル

スペシフィック・食物アレルギー (レオ/スペシフィック)
FDW(食物アレルギー用)
原材料:羊肉類、米、ダイズ油、ミネラル、ビタミン、サジオモダカ種子(繊維)、タウリン

これらの療法食はアレルギーの原因と考えられる成分をカットしてつくられています。(嗜好性はあまりよくありません。)
最近では療法食の他にもアレルギーを考慮して高品質の食材を使用し、合成保存料や着色料などの添加物を一切していない良質のフード発売されています。原材料・栄養バランス・嗜好性・消化性なども処方食と同じレベル、またはそれ以上にレベルが高く製造されています。

ナチュラルバランス・グリンピー&ダック (ナチュラルバランス)
グリンピー&ダック ドライフード
穀物不使用、アレルギー対応成分除去食。
牛・鶏・羊・大豆・小麦・米など、アレルギーの原因になりやすいタンパク質を除去したフードです。

インテグラ・センシティブ (アニモンダ)
インテグラ・センシティブ
食物に敏感な猫、食物アレルギーのある猫に配慮された猫用フードです。



 ◆ その他のアレルギー

(ノミアレルギー)
ノミの唾液成分がアレルゲンです。ノミが犬や猫の皮膚を咬んで血を吸う時にノミの唾液が体内に入り、背中や腰のまわりに痒みの強い皮膚炎をおこします。飼育環境や季節に関係なく、ノミの駆除・予防対策をしっかりしないと、皮膚炎が繰り返します。病院ではフロントラインなどのスポットタイプの薬を処方されます。

(アトピー)
遺伝が要因のもの、また最近ではハウスダストやダニがアレルゲンの原因が多くなっています。ダニが繁殖しやすい条件は、温度25℃、湿度60%以上。家ダニは、死骸や小さい体の一部でもアレルゲンとなります。
アレルゲンを含んだ空気を吸い込むことによって、耳や目の回り・足・前肢の付け根・背部・会陰部・肛門周辺に痒い皮膚炎ができます。
治療はステロイド剤を使用したり、抗ヒスタミン剤・脂肪酸・ホルモン剤などを組み合わせて使用します。

(接触性アレルギー)
外部からの接触物が皮膚から吸収され、4型アレルギーにより接触部位に炎症性皮膚反応を示すものをいいます。犬猫の場合、主に食器や首輪・洋服・ベットなどに何度か接触している皮膚に、痒みの強い皮膚炎がおきます。 皮膚炎が起きている体の場所を確認して下さい。
・口にしかその皮膚炎が現れていなければ、食器。
・お腹にしか現れていなければ、ベットなど、いつも寝ている場所。
・首のまわりにしか現れていなければ、首輪。
これらは別の材質のものにすることで治癒します。

(その他)
細菌過敏症・草・花粉アレルギー・薬物アレルギー・じんま疹・腸内寄生虫過敏症・ホルモン性過敏症などがあります。また、新建材の接着剤に含まれているホルムアルデヒドもアレルゲンとして考えられます。


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